赤字膨らむ国立大病院で「患者囲い込み」指示も
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全国の42国立大学病院のうち32病院が収支を赤字と見込んでいる。“患者囲い込み”の号令で医療現場は大揺れだ。
国立大学病院長会議が10月に公表した2024年度の赤字見込みは42病院で計235億円となり、当初予想の58億円から急激に悪化した。会議後の記者会見では「大学病院がなくなるかもしれない次元の問題で、地域医療が崩壊する可能性がある」と危機感が示された。
赤字急増の要因は医師などの働き方改革で人件費が前年度比343億円(6.7%)増えたことだが、水道光熱費や施設・設備費の増加も収支を悪化させた。これを受け、いくつかの病院は連休中も診療や手術をすると決めた。ある病院関係者によると「入院中の患者の退院をできるだけ延ばせ」と、これまでと逆の指示が出されて混乱が広がった。
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週刊エコノミスト
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