データセンター関連 注目15銘柄はこれだ 和島英樹
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データセンター(DC)は内部のサーバー類だけでなく、光ファイバーケーブルや冷却・空調機器など産業の裾野は幅広い。需要拡大を見据え、DC銘柄に注目が集まる。
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生成AI(人工知能)の普及などを背景に、データセンター(DC)の需要が急速に高まっている。生成AIは質問を投げかけると、よどみなく回答するなど、データのパターンや関係を学習し、新しいコンテンツを作り出すことができる。生成AIは、膨大な量の情報を迅速に処理することができるからだ。
DCは「インターネット用のサーバーやデータ通信、固定・携帯・IP電話などの装置を設置・運用することに特化した建物の総称」を指す。現在では生成AIなど膨大な情報を短時間で処理する「頭脳」的な役割が求められる。データ処理の専門施設として、設置場所も首都圏に置かれることが多い。
マイクロソフトやオラクル、アルファベット傘下のグーグルなど米国の巨大IT(情報通信)企業も、相次いで日本でDCへの投資を進めている。国内でDC建設を急ぐ背景には、生成AIの登場が需要を加速させている面が強い。
DCに設置されるAIサーバーには主に、米半導体大手エヌビディア社製の画像処理半導体(GPU)が搭載されている。頭脳の役割を果たす中央演算処理装置(CPU)をアシストし、ディープラーニング(深層学習・機械学習)などのアルゴリズム(計算手順)を効率化することができる。機械学習などで、与えられたデータやパターンから新たなデータを作るのが生成AIだ。
AIサーバーは大量の電力を消費する。世界のDC市場のうち、AIサーバー関連が使う電力は現状で消費電力の約1割を占めるという。
調査会社の富士キメラ総研によると、28年のDCサービス国内市場は、22年に比べ52.3%増の5兆954億円になると予測している。生成AIの基盤となるGPUサーバーは非常に大きな電力を消費し、運転の際には熱を出す。この採用増加に伴い、冷却能力の高いDCの利用が広がっている。
「多芯化」「細径化」進展
サーバーの性能向上は光ファイバーの需要も刺激する。
光ファイバーはDCに数多く使われており、需要が増加傾向にある。さらに生成AI化が進む中で、膨大なデータを処理するために光ファイバーの重要性が増している。光ファイバー世界大手のコーニングは先の決算発表で、AIサーバー活用…
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週刊エコノミスト
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