電力インフラ関連 注目15銘柄はこれだ 山本泰三
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デジタル化の進展を受け、電力インフラの拡充が急務になっている。送電網・再生可能エネルギー・省エネ関連──の注目銘柄をピックアップした。
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データセンター(DC)やクラウドサービス、IoT(多様な機器を通信でつなぐモノのインターネット)などといったデジタルインフラの整備が急速に進んでいる。将来的にはエネルギー消費の増大が予想され、電力インフラ関連への投資も加速しそうだ。
電力インフラの裾野は広いが、特に送電網(グリッド)など電力設備関連や再生可能エネルギー関連のほか、省エネ・電気代削減に関するソフト関連──などに注目が集まる。そこで今回は、こうした3分野に着目し、成長性や株主還元などの側面で飛躍が期待される15銘柄を選んだ。
電力インフラとしてまず筆頭に上がるのは電力会社だ。上場している国内電力会社は、東京電力ホールディングス(HD)や、中部、関西、中国、北陸、東北、四国、九州、北海道、沖縄の各電力会社と、J-POWER(電源開発)。燃料を海外から調達する電力会社は円安が緩めば利益が出やすい。
中でも九州電力は、半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)、北海道電力は次世代半導体の量産化を目指すラピダスなど、半導体施設の立地エリアを抱える。配当も電力各社の中では中位の2%台を維持する。
変電設備や送電設備の製造・販売を手掛ける重電メーカー(富士電機、三菱電機)、電力網の拡大・維持更新による電線メーカー(住友電気工業、フジクラ、古河電気工業)、電力設備工事企業(ダイダン、九電工)なども、デジタル化の追い風を受けそうだ。いずれの企業も業績が好調で、配当利回りも2〜3%台だ。特に住友電気工業、古河電気工業は株価純資産倍率(PBR)が1倍割れである点も見逃せない。
再エネは、カーボンニュートラル(温室効果ガス実質排出ゼロ)の実現や、エネルギー自給率向上への貢献などから注目されるが、発電量が天候や日照時間に左右される課題がある。安定性の高い電源に育てるには蓄電設備やスマートグリッド(次世代電力網)の開発が不可欠となる。
パナソニックHDは住宅用蓄電池から産業用大規模蓄電池まで、蓄電池について幅広い製品ラインアップを展開し、米電気自動車(EV)大手テスラとも協業する。ジーエス・ユアサコーポレーションは電池専業メーカーで、特にオー…
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週刊エコノミスト
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