中国NEV市場で進むSDV化と高級化 スマホメーカー積極参入 湯進
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中国市場では今年も新エネルギー車(NEV)シフトが加速する。日本勢も生き残りへ中国企業との提携が進みそうだ。
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中国通信機器大手のファーウェイが江淮汽車(JAC)と共同開発した高級車、「尊界(MAEXTRO) S800」を2025年初めに発売する。ファーウエイが開発した基幹システムを搭載する「ファーウェイ・カー連合」第4弾としての同モデルのキャッチコピーは「英ロールスロイスを超える豪華・ハイテク・智能化」だ。驚かされるのは、100万~150万元(約2100万~3150万円)という高価格だ。スマートフォン事業でファーウェイのライバルである小米(シャオミ)は、24年3月に電気自動車(EV)「SU7」を発売してからわずか8カ月で、販売台数10万台を達成した。25年3月に納車予定の高性能バージョンのスポーツカー「SU7 Ultra」は、価格81万元(約1700万円)で、シャオミEVのブランドイメージを高めようとしている。
グローバル市場でEV販売が減速するなか、新エネルギー車(NEV)の全盛時代といわれる中国市場では他の市場とは異なる独自の進化が起きている。これらの高額な価格設定からEVに参入した中国テック企業の自信が見て取れる。一方、足元の中国経済に勢いがなく、国内需要の不振は新車市場の成長の足かせとなっているのも事実だ。果たして中国市場は依然としてポテンシャルのある新車市場といえるのか。今後の展望を探りたい。
世界販売3600万台まで成長余地
24年の中国の新車出荷台数は、海外向け輸出の好調を受け、前人未到の3100万台に達する見込みだ。一方、国内においては消費者の節約志向が続くなか、中国政府は24年3月から12月末まで、EVとプラグインハイブリッド車(PHV)を中心とするNEVや排気量2000㏄以下の内燃機関車の買い替えに対し、それぞれ1台当たり…
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週刊エコノミスト
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