週刊エコノミスト Online 闘論席

いまこそ“清水幾太郎的な夢”を 片山杜秀

撮影 中村琢磨
撮影 中村琢磨

片山杜秀の闘論席

 清水幾太郎。社会学者である。戦前から論壇で活躍し、戦後は日米同盟に熱烈に反対した。米ソ核戦争は避けがたく、日本に米軍基地のある限り、必ずソ連は日本を核攻撃し、この国は滅ぶ。そう考えたのである。

 が、1960年の安保闘争の後、清水は立場を変えていった。ソ連は社会主義。米国は資本主義。水と油で共存できぬから必ず戦争になる。この理屈は本当だろうか。社会主義国も資本主義国も国民の豊かな経済生活を目指しているのは同じだ。そして豊かさを実現し、皆が余裕を持ってレジャー社会が実現されてくれば、誰も破壊的戦争を望まなくなる。表向きは対立していても、お互いの社会が豊かになれば、実際の戦争は回避…

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