急成長の中国越境EC 越境先で納税せず雇用も生まず摩擦必至 高口康太
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中国の越境ECは世界の消費者の集客に成功した。今後も規模が拡大していく勢いだが、輸出ラッシュで各国の規制が強まる懸念もある。
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中国発の越境EC(電子商取引)が急成長を続けている。成長をけん引するのは「出海四小龍」(越境EC四天王)、SHEIN、アリ・エキスプレス、TikTok Shop、TEMUの4大サービスだ。中国メディアの報道によると、トップのSHEINのGMV(総流通額)は450億ドルと推計されている。ZARAを擁するアパレル世界最大手のインディテックス(スペイン)の売り上げを上回っている計算だ。
中国発の越境ECに怪しげな印象を持つ方は多いだろう。私も最初に試した時には、販売ページの写真とは似ても似つかぬ商品が、ほこりまみれの汚い包装で届いてあぜんとした。だが、ただ安いだけではここまでの成長は実現できない。
中国発の越境ECはまずB2B(法人向け)から始まった。1999年創業のEC大手アリババグループが最初に手がけたのはB2Bだった。「アリババドットコム」は世界の中小事業者が簡単に中国から仕入れができるサービスとしてスタートした。
続いて台頭し…
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週刊エコノミスト
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