経済・企業 起業ブームに火を付けろ!

起業家個人に伴走する佐賀スタイル 5年で45人を支援 徳永敬

佐賀県の起業家が専門家やエンジニア、デザイナー、学生らと交流したイベント「MIXED NUTS」( RYO-FU BASE提供)
佐賀県の起業家が専門家やエンジニア、デザイナー、学生らと交流したイベント「MIXED NUTS」( RYO-FU BASE提供)

「世界を目指せる起業環境を」──。佐賀県のスタートアップ支援が熱い。人口約80万人の小さな県ながら、近代化を先取りした佐賀藩以来の進取の精神を生かし、大都市にはない支援を展開している。

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 佐賀市中心部のビルの一画に「RYO-FU BASE」(リョウフウベース)の旗が立つ。佐賀型支援の拠点だ。2024年8月、事業はそれまでの県から公益財団法人に移管された。職員もほぼそっくり出向。拠点名は、幕末、佐賀藩が建造した、我が国初の実用蒸気船「凌風丸(りょうふうまる)」からとった。「風任せ(帆船)ではなく(蒸気船のように)自走できる起業家に育って」との願いも込めた。

 佐賀型の特徴は「個(人)に焦点を当てた支援と、長期的なフォロー」だ。成長に合わせて①初期の事業計画作成を指導する「ゲートウェイ」、②資金調達に向けて事業をブラッシュアップする「ブースト」、③既存企業等との取引や協業を仲介する「コネクト」、④宣伝広報指導の「プロモート」、⑤専門分野の人材をマッチングする「アサイン」──と五つのプログラムを用意。事業が軌道に乗るまで無期限で指導するコースもある。ゲ…

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