静岡市が技術開発支援で「出資」を選んだ理由 種市房子
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社会課題解決の技術開発のために、補助金ではなく出資という形態を取った狙いとは。
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静岡市は、発がん性が指摘されるPFAS(ピーファス)(有機フッ素化合物)を除去する装置を開発する共同会社を設立する。水処理を手掛ける「Aホールディングス」(山梨県富士吉田市)との合弁で、静岡市は10%程度を出資予定だ。
PFASは泡消火剤やフライパンのフッ素樹脂加工などに使われており、分解されにくく、人体や環境に蓄積しやすい。静岡市でも、市内の化学工場で過去にPFASを使っていたことが判明。この工場の近くに位置する市営三保雨水ポンプ場の排水を調査したところ、国の暫定基準値の200倍以上のPFASが検出された。市はPFAS除去の対策を検討する中で、A社の技術に注目した。
PFASの除去には、活性炭に吸着させる方法が多く使われる。ただ、活性炭の吸着方式はコストが高く、日量1万トンの水を処理する三保ポンプ場に使うのは現実的ではない。PFASを吸着した活性炭の処理という課題もある。
A社は、PFASが混ざる水に細かな泡を発生させ、薬剤を投入し、PFASを泡に吸着する技術…
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週刊エコノミスト
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