❽「業界のパイオニア」ボロコプター 中国イーハンは初の型式証明取得 岩本学
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マルチローター機で先行するドイツと中国。近距離、都市部でのエアタクシーで活用が期待されている。
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航空法における「空飛ぶクルマ」は、垂直離着陸飛行機とマルチローターの二つの種類が定義されている。ここまで固定翼が付いた垂直離着陸飛行機タイプの機体を開発するメーカーを中心に紹介してきたが、今回はもう一つのeVTOL(垂直離着陸)機であり、ヘリコプターに近い外観のマルチローター機開発に挑む新興企業2社を解説したい。
最初に取り上げるのはドイツのボロコプターだ。2010年にフランスのパロット社がのちにドローンが広く普及するきっかけとなった「AR Drone」を発売してからわずか1年後にドイツで設立されたこの会社は、業界のパイオニアとしてeVTOL市場の立ち上がりをリードしてきた。最初に飛行試験に成功したVC-1はまさにプロトタイプという呼び方がふさわしい機体で、その外観からは巨大なドローンが想起される。この挑戦的な機体をベースに、クラウドファンディングを活用して資金を調達しながら、わずか2年後の13年には「2X」というはるかに洗練された2人乗りの機体を開発し、遠隔操作で屋内飛行させるところまで到達した。そこからまた多くの時間とリソースをかけながら開発を進め、世界で初めてとなる有人飛行をドバイで実現するに至ったのは17年のことだ。
「世界初」尽くし
ボロコプターはその後も多くの「世界初」を獲得し、商業化に向けた長い道のりを歩んできた。現在、開発を進める最新の機体「ボロシティ」は、航続距離35キロメートル、時速110キロメートル、パイロット含め2人乗りの機体で、都市内のエアタクシーでの活用を目指している。過去の連載でも紹介した通り、24年のパリ五輪までに欧州航空安全機関(EASA)より型式証明を取得し、商業運航を実現することが計画されていたが、残念な…
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週刊エコノミスト
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