サッカーW杯 ロシアW杯で予想外の躍進 欧州から見た日本代表の運営=木村浩嗣
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ワールドカップ(W杯)は4年に1度の日本が、世界に試される場である。サッカーという西欧的な“アウェー”のスポーツで、アジアとは異なる価値観に日本がさらされる。まさにアウェー中のアウェーだからこそ、逆に日本的なものが明確になり再確認もできる。
ピッチ上の結果では史上3度目のベスト16入りを果たした上に、3位のベルギーを敗退寸前に追い込んだことは文句のない快挙だった。残り20分で2点リードを守り切れなかったのは反省点だが、それ以上に今大会屈指の好ゲームの主役を演じたことは、「日本ここにあり」を強烈に印象付けた。今後、日本サッカーと言えば世界が真っ先に思い出すのがこの試合になるのだろうし、日本サッカー界にとっても到達点が確認でき、追い越すべき目標ができたことは非常に大きい。
私の住むスペインではクラブのサッカーが日常であり、代表は祝祭に過ぎないが、日本では代表がピッチ内ではプレースタイルの指針となり、ピッチ外では景況をも左右する存在だ。プロ野球に対する劣勢やJリーグの停滞が言われて久しいが、世界の超一流と互角に渡り合えたことは、Jリーグと関連スポンサー、全国の指導者と選手、ファンとマスメディアを活気付けることになるのは間違いない。
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