経済・企業エコノミストオンライン

課金モデルへの転換 ソニーの構造改革好調=桂竜輔

課金モデルはゲームでののびしろが大きい(Bloomberg)
課金モデルはゲームでののびしろが大きい(Bloomberg)

 ソニーの構造改革が進み、業績に表れ始めている。同社が7月31日に発表した2018年度第1四半期(4~6月期)連結決算は、売上高が前年同期比5%増の1兆9536億円、営業利益が前年同期比24%増の1950億だった。

 営業利益を押し上げたのはゲーム&ネットワークサービス分野だ。前年同期は177億円だったのに対して、18年4~6月は835億円だった。プレイステーション(PS)4向けの自社製作ゲーム「ゴッド・オブ・ウォー」や、他社製作ゲーム「フォートナイト」の配信・課金収入が伸びたとみられる。加えて、月額514円の課金システム「PSプラス」の加入者増も順調に拡大したことが寄与した。これは、人気ソフトを回数・時間制限なくプレーできるといった特典を受けられる。

 ソニーは、3月まで社長を務めた平井一夫会長の下で、2段階にわたり「ギアチェンジ」を仕掛けてきた。14年に始まった第1段階では、不採算部門と得意分野にメリハリを付けた。それまで成長分野と位置付けたスマートフォン事業について、販売台数より利益を重視する路線に転換し、パソコン事業からも撤退した。一方で、成長をけん引する事業として、画像センサーなどの半導体、ゲーム、映画、音楽の4分野を挙げ、積極的な投資…

残り910文字(全文1439文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事