GPIF 2017年度を振り返る 自らと投資先の統治を改革 運用会社のあり方が課題に=徳島勝幸
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GPIFは7月6日、2017年度(17年4月~18年3月)の業務概況書を公表した。GPIFは、厚生年金と国民年金の積立金を運用する。積立金が年金給付に寄与する度合いは小さく、現役世代の保険料と国庫負担がほとんどを占める。17年度の運用実績は収益率が6・90%となり、収益額では10兆810億円、年度末の資産額は156兆3832億円と好調な結果になった。
思い返すと、わずか2年ほど前には野党を先鋒として、メディアなどがGPIFの運用損失に対し強い批判を繰り返していた。15年度の運用損失額は5兆3098億円に上り、翌16年度の第1四半期(4~6月)も5兆2342億円の損失を計上したのである。野党内には「損失追及チームを設置する」と息巻く向きもあったが、16年度の第2四半期(7~9月)以降、運用収益が回復し、16年度全体で7兆9363億円の収益を計上…
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週刊エコノミスト
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