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アルゼンチン利上げ 通貨安に歯止めかからず マクリ大統領、財政改革を表明=浅野貴昭
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8月30日、アルゼンチンの中央銀行は政策金利を15%引き上げ、60%に設定すると発表した。13日にも5%の利上げを実施したばかり。4月下旬にアルゼンチン・ペソが急落して以来、今回で5度目の緊急利上げとなる。年初来のペソ下落幅は対米ドルで約50%に及ぶ。6月にマクリ政権は国際通貨基金(IMF)と500億ドルの緊急融資枠の設定に合意していることから、8月29日、マクリ大統領は未利用の融資枠350億ドルの一部の早期融資をIMFに求めると発言。ラガルドIMF専務理事も前向きな声明で応えた。利上げだけでは通貨安を止められないと、9月3日、マクリ大統領は国民に向けた演説で、「政府のインフレ抑制が手ぬるかった」と認めた上で、今後は徹底した財政改革に乗り出すと発表した。省庁の半減や、農産品輸出税の復活などを通じて財政を改善し、計画を1年前倒しして2019年の均衡予算を実現するとした。
15年12月に発足した中道右派のマクリ政権は、12年間続いた左派政権による「ばらまき経済」のゆがみを正すべく、税制や社会保障制度の改革を進め、公共料金に投じられてきた補助金の削減にも手を付けた。通貨安に陥る前までは、18年のアルゼンチン経済は成長率3%台も見込まれていた。
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週刊エコノミスト
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