週刊エコノミスト Online

関西国際空港 台風被害は運営側の人災 投資先送りが招いたツケ=吉川忠行

冠水した関西国際空港の1期島
冠水した関西国際空港の1期島

 台風21号で甚大な被害を出した関西国際空港(関空)。9月4日、最初に埋め立てられた1期島が高潮を受けて冠水し、1994年の開港時から使用するA滑走路と第1ターミナルが使用不能に陥った。さらに対岸と結ぶ唯一の連絡橋に航空燃料を運び終えたタンカーが衝突。道路や鉄道の線路が使えなくなるほどの損傷を受けた。一方、2007年に供用開始したB滑走路は被害が比較的軽く、関空は第2ターミナルとB滑走路を使い9月7日から国内線の一部運航を再開した。

 A滑走路と第1ターミナルの被害は、1期島の地下に集中する電気や防災関連の施設が水浸しになり停電が起きたことが原因だ。関空のような海上空港において、重要施設を地下に集約することは高リスクであるとの指摘が以前からあるにもかかわらず、16年に関空の運営権を取得した関西エアポート(KAP)はこの問題を棚上げにしてきた。

残り701文字(全文1076文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事