新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

国際・政治 闘論席

トランプ2.0相手に忠犬ではいられない 片山杜秀

撮影 中村琢磨
撮影 中村琢磨

片山杜秀の闘論席

 米国プロ野球のスター選手の収入の、何と桁外れなことか。大きな富はますます大きな富を生む。増えていくお金は人目をひくところに集中的に投下される。一方、小さな富はそれを保つのが精いっぱい。切り崩さねば生きられぬことも多い。かくして貧富の差は開く一方。金融資本主義の世界である。

 その一つの極限が、米国の近年の姿だろう。放っておいたら社会が崩壊する。桁外れのお金持ちからは桁外れの税をとる社会主義的な仕方で、所得の再分配を促し、社会の和を保つのがいい。過去の大統領選で民主党の候補指名レースを争ったサンダース氏の路線だった。が、米国流の自由主義と個人主義の伝統が彼の大統領への道を阻んだのだろう。

 ならばお金持ちの財産にはあまり手をつけず、貧者もほどほどに救っておくくらいが無難だ。代わりに、お金のあまりかからぬ、言わば「人権擁護の政治」を展開する。セクシャリティーやエスニシティーの問題に取り組んで社会を良くしているとアピールする。それがバイデン大統領やハリス氏の方向性だったろうが、貧者に希望を与えぬ政治には限界があった。

残り350文字(全文819文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中郁次郎 一橋大学名誉教授「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化■大垣昌夫23 Q&Aで理解す [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事