役員インタビュー 攻める戦略の先駆け 長沢健一・キヤノン知的財産法務本部長
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他社担当者との人脈がもの言う
特許で攻める・守る体制や考え方を聞いた。(聞き手=種市房子・編集部)
── キヤノンの知的財産戦略の歴史は。
■1960年代に複写機に参入した当時は、世界の巨人と言われた米ゼロックスの特許を使用しなければ事業を行うことは困難だった。同社の特許網を徹底的に調べて、特許網をかいくぐった独自技術を開発した。そして最終的には、キヤノン独自の特許網を形成し同社とクロスライセンス契約に持ち込み、特許リスクなく事業ができるようになった。当時から特許によってライセンス収入を得ることを主目的とせず、自社事業を有利にするための知的財産戦略であった。90年代に入りアジアの新興国でも日本製品に対抗する製品が製造されるようになった。そこで、特許侵害により事業をやめさせる、ライセンス収入を得る、自社に優位なクロスライセンスを結ぶという攻めの知的財産戦略がより顕著になった。今は技術が多様化しており…
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週刊エコノミスト
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