経済・企業 ゴーン会長逮捕
ケリー氏がチェックを「無力化」か “ブラックボックス”の高額報酬=山口利昭
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カルロス・ゴーン会長は毎年、10億円前後の報酬を日産自動車から得ており(表2)、国内上場企業の役員報酬で上位を争っていた。しかし、日産自動車の意思決定の仕組み上、取締役会は各取締役の報酬決定を会長に一任していると思われ、他の取締役は、実際に開示されるまで、会長の年間報酬はいくらだったのか分からなかったと推測される。役員報酬がこれだけ高額になった理由について、企業統治(コーポレート・ガバナンス)上、検証する必要がある。
日産自動車のガバナンス報告書や有価証券報告書を読むと、同社はいわゆる監査役会設置会社で、取締役会には指名・報酬委員会は存在しない。会長(取締役会議長)が、他の代表取締役(同社の場合、西川広人社長と逮捕されたグレッグ・ケリー代表取締役)と協議して役員報酬の金額を決定する仕組みになっている。そのため、業績連動の金銭報酬に加え、株価連動型の報酬(インセンティブ受領権)の算定評価はブラックボックスの状態…
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週刊エコノミスト
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