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週刊エコノミスト Online ズバリ!地域金融

第9回 北都銀の風力発電PF 5年で手数料6億円=浪川攻

 事業からの収入を返済原資とするプロジェクトファイナンス(PF)は、メガバンクなど大手行の独壇場。そう思われがちなほど、地域銀行はアレンジャー(幹事銀行)組成の協調融資団に参加するケースがほとんど。だが、秋田県では北都銀行がアレンジャーとなってPFを組成し続け、地域の産業創出に寄与している。

 県内には現在、200基もの風力発電施設がそびえ立つ。日本海から吹き込む秋田独特の良質の風が安定的な発電に適しているからだ。とはいえ、風力発電は当初、東京の大資本による事業化が主流で、建設も東京の企業が担い、売電収入は東京に吸い込まれた。県内のメリットはきわめて乏しかった。

 そこで、北都銀行は動いた。まず、取引先企業とともに、風力発電事業会社「ウェンティ・ジャパン」を2012年に設立し、地元事業化を推進。次いで同銀行が挑戦したのが「風力発電コンソーシアム」の組成だ。北都銀行地方創生部の佐藤幸司グループマネジャーはその狙いを「風力発電の売電収入よりも産業の集積を目指したもの」と説明する。

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