マーケット・金融THE MARKET

東京市場 ストラテジストが読む 来年、アベノミクス相場の岐路=藤戸則弘

 2019年の株式相場は、アベノミクス相場の転換点となるかもしれない。日本株相場は、安倍政権の景気配慮型の政策運営と、日銀の超緩和策が両輪となって、12年末以来大きく上昇した。しかし、19年は世界経済で鈍化傾向が強まる見通しだ。

 経済協力開発機構(OECD)の見通しでは、現在好調の米国でさえ実質GDP(国内総生産)成長率が18年の2・9%から19年2・7%、20年2・1%へと鈍化する(以下同)。トランプ保護貿易主義に苦悶する中国も、6・6%→6・3%→6・0%に減速する見通しだ。2大経済大国が、この状況では、ユーロ圏が1・9%→1・8%→1・6%、日本も0・9%→1・0%→0・7%と鈍化するのもやむを得ない。

 一方、各国中央銀行は「金融政策の正常化」を最大の命題として、引き締めに向かう可能性が高い。米連邦準備制度理事会(FRB)は、利上げとともに資産の圧縮を粛々と続け、欧州中央銀行(ECB)も量的緩和政策を終了し、利上げのタイミングを計ると思われる。新興国の中銀も引き締め策が主流であり、日銀のみを唯一の例外として、リーマン・ショック後の超緩和策からの脱却が鮮明化しよう。つまり、世界の景気鈍化と引き締め…

残り381文字(全文889文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事