袋小路の金融政策 異次元緩和6年目に突入 景気後退の「備え」なき日銀=加藤出
黒田東彦日銀総裁の主導で実施されてきた「異次元緩和策」は2019年春で6年目を迎える。日銀は当初、マネタリーベース(資金供給量)を2年で2倍の260兆円にすればインフレ率は目標の2%に達すると宣言した。現在、マネタリーベースは500兆円近辺に達している。しかも国債の大規模購入などにより日銀資産は異様な肥大を見せ、名目国内総生産(GDP)比は100%を超えつつある(図1)。
しかしながら、インフレ率は2%からまだまだ遠い。大半の日銀幹部は黒田総裁の任期終了時(23年4月8日)まで見通してもプラス2%の実現は困難と感じているだろう。
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週刊エコノミスト
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