新興国編 インド 続く7%台の高成長=小林公司
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2018年のインドの経済成長率は7・5%程度で、主要先進国・新興国で最高となったとみられる。19年についても、18年に政策金利を連続して引き上げた影響で小幅に低下するものの、7%台前半の成長率が保たれそうだ。
ただ、経済改革で一定の実績を残してきたモディ政権は、任期満了に伴う19年春の下院選では苦戦が予想されている。モディ政権の与党・人民党は14年の前回総選挙で、「モディ・ウエーブ」と呼ばれる支持に乗り、全543議席の過半数を上回る282議席を獲得して政権交代を果たした。その後の地方選挙でも連戦連勝の勢いだった。しかし、モディ首相の地元・グジャラート州議会選挙(17年12月)では辛勝にとどまり、潮目が変わったようだ。
モディ支持退潮の背景には農村の不満がある。全人口(約13億4000万人)の7割を占める農村には、経済成長の「果実」が届いていないという。例えばモディ政権はインフレ対策として、政府が備蓄用などとして買い上げる農産物の公定価格(MSP)を抑制した。その結果、食品を中心にインフレ率の低下はインド全体にとって良かったが(図)、分配面では生産者(農民)の所得が減る一方で、消費者(都市住民)の支出は減ること…
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週刊エコノミスト
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