新興国編 メキシコ 新大統領が資源、インフラで独自策=東田陽平
有料記事
メキシコでは、2018年12月1日、新興左派政党「国家再生運動(モレーナ)」のロペスオブラドール大統領(当地では、フルネームの頭文字を取って通称「アムロ」と呼ばれる)新政権がスタートした。同氏は、18年7月の大統領選挙で圧勝しただけではなく、同時に行われた連邦議会選挙でも、モレーナと同党を支持する政党合計で議席の過半数を獲得、州知事、メキシコ市長選、州議会選でも多くの地域で勝利し、強さを見せつけた。国民から社会・経済格差や汚職・治安問題改善への期待を託された新政権の経済運営について、前政権からの大きな方針転換が予想されているポイントを検証したい。
まず、日本企業も関係するエネルギー分野だ。全般に自国中心主義的な政策が目立っている。前任のペニャニエト大統領は、石油部門・電力部門の民間開放を含むエネルギー改革を実行した。一方、アムロ大統領は選挙期間中に「国家の資源は自国に帰属すべし」という考え方から、新規石油鉱区入札の凍結、既存契約の検証などを掲げていた。当選後、約80弱にも及ぶ民間会社(外資を含む)などとの鉱区既存契約について政権移行チーム…
残り1063文字(全文1540文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める