欧州編 ユーロ圏経済 底堅いが外部要因に脆弱 米国保護主義の悪影響も=伊藤さゆり
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ユーロ圏は2019年に景気拡大7年目に入る。世界経済の減速も影響し、ユーロ圏でも17年をピークとする減速は続く見通しだが、個人消費と設備投資が両輪となり、失速は免れそうだ。その一方で、先行きの不確実性は高く、リスクは下方に向いている。
英離脱より危ういリスク
ユーロ圏の個人消費は雇用・所得環境の改善を支えに底堅さを保つとみられる。企業は17年のような記録的な強さはないものの、幅広い業種で雇用拡大に意欲を示している。労働市場のスラック(余剰)の縮小とともに賃金の伸びも上向いている。
家計のマインドも17年ほど強気ではないが、なお長期平均に比べて高い水準を保つ。18年に実質所得の伸びを抑えた原油価格上昇の影響も19年は弱まりそうだ。欧州中央銀行(ECB)が予定する金融緩和の縮小も緩やかなペースが予想される。個人消費は底堅く推移するだろう。
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週刊エコノミスト
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