新興国 米中発リスクオフ・オン混在 国と資産見極め必要な年=入村隆秀
有料記事
今年初めより新興国の資産が堅調に推移している。厳しい環境であった昨年より一転しての強気相場だが、その足元は盤石ではない。
主要な先進国と新興国の景気が同時に拡大するとともに投資家のリスク選好が強まっていた2017年、新興国資産に多額の資本が流入した。ところが昨年8月、経常収支が大きく悪化していたトルコやアルゼンチンから資本流出が加速し、両国で通貨危機が発生。ブラジルや南アフリカ、インドなど他の経常赤字国からも資本が流出し、株価や債券価格、為替相場を押し下げた。
背景にあったのは、減税効果に支えられて景気が堅調に拡大していた米国で年4回の利上げなど金融引き締め策が強化されたり、政権が中国への制裁関税導入など諸外国への対決姿勢を強めたりしたことだった。世界景気の先行きへの懸念を高め、投資家のリスク許容度を低下させた。
残り1103文字(全文1464文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める