投資・運用

バンガード創業者ボーグル氏 インデックスファンドで恩恵=尾藤峰男

 インデックスファンドの創始者、ジョン・C・ボーグル氏(ジャック・ボーグルと呼ばれている)が亡くなった。89歳だった。現在5兆ドルに及ぶ運用資産を持つバンガードグループの創業者だ。1975年、S&P500指数に連動を目指すバンガード・インデックス・トラストの運用を開始。現在インデックスファンドは投資信託全体のほぼ50%を占めるまでになったが、当初はこのファンドには1100万ドルしか集まらなかった。当時「ボーグルの愚行」と冷笑され、ウォール街からは目の敵にされた。ボーグル氏はその後一貫して、高コストのファンドを売り高収入を手にするウォール街を攻撃する姿勢を緩めることはなかった。インデックスファンドへの定期的な投資、低コストの運用、長期・分散投資を主張し続けたのである。昨年半ばまでの過去15年の運用期間で、92%以上のアクティブファンドがS&P500指数に負けていたというデータを見ても、インデックスファンドの優位性がわかる。(出所:S&P Dow Jones Indices)

 米国の投資家ウォーレン・バフェット氏は、2017年の株主総会にボーグル氏を招き、出席したバークシャー・ハサウェイの株主の前で「ジャックほど、アメリカの投資家に恩恵をもたらした人物はいない。ジャックは高かった投資信託のコストを数十分の一まで落とし、最低でも1兆ドル単位の恩恵を投資家にもたらした。そしてその恩恵はやがて10兆ドル単位にも及ぶだろう」とたたえた。私もその場にいたが、高く手を上げてにこや…

残り1166文字(全文1808文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事