牙むく「トランプ砲」 標的は自動車と為替=浜田健太郎
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「欧州での生産は競争力の観点で難しいと判断した」──。ホンダの八郷隆弘社長は2月19日、欧州唯一の生産拠点である英国スウィンドン工場での生産停止を発表し、その理由をこう述べた。
八郷社長は英国の欧州連合(EU)離脱とは無関係としたが、衝撃は英国中を駆け巡った。クラーク英産業戦略相は「何千人もの労働者とその家族にとって酷なニュースだ」と懸念を表明した。
広い産業の裾野が広がる自動車工場閉鎖は、地域経済に大打撃だ。しかし、3月末に迫るEU離脱問題に揺れる英国の製造業離れの現実を、対岸の火事と受け止めることができない固有の事情を日本も抱えている。日米貿易摩擦の再燃リスクだ。
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週刊エコノミスト
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