国際・政治統計の泥沼

変わるGDP 経済構造の変化に合わせ改良=宮川努

    設備だけでなく知識も投資(Bloomberg)
    設備だけでなく知識も投資(Bloomberg)

     経済統計には大きく二つの種類がある。一つは、家計や企業といった調査対象に直接調査票を渡し、そこで得られた回答を基に作成された1次統計。その1次統計をベースにさまざまな推計手法を用いて作成された加工統計である。GDP(国内総生産)統計は、後者の加工統計に位置付けられ、多くの1次統計から推計される。

     GDPは国民経済計算体系の一部であり、国民経済計算は一国または一地域が一定の期間にどれだけの経済取引を行ったかを表す統計の体系である。この中の生産部門を集計した値、すなわちGDPを通して、人々は国や地域の経済規模を知ることができる。

     ただ、各国や各地域がそれぞれの流儀で推計を行っていては、国際的な経済規模の比較はできない。

     そこで、各国は国際連合が作成したマニュアルにしたがってGDPを推計している。最近では2008年に大きな改定が行われた。ここでの改定の大きなポイントは、研究開発によって蓄積された知識資産投資の計上である。設備投資というと、我々は建物や機械を思い浮かべるが、IT化や知識経済化が進むにつれ、ソフトウエアや研究開発によって蓄積された知識も、投資活動としてGDPの中で把握されるようになったのである(表1の…

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