改革の落とし穴 再燃するGDP“かさ上げ”疑惑=黒崎亜弓
有料記事
詳しくはこちら
毎月勤労統計の不正が発覚する前から、“偽装”が疑われていたのがGDP(国内総生産)だ。2016年12月、国際的なマニュアルである2008SNAに対応したことなど基準改定に伴い、過去にさかのぼって数値が改定された(図)。基準改定を意図的な“かさ上げ”と疑う見方が、毎月勤労統計の問題を受けて再度、取りざたされている。基準変更による改定幅は安倍晋三政権が始まった13年以降で特に大きいと指摘し、安倍首相が15年9月に打ち出した「20年ごろに名目GDP600兆円」という目標を達成するためではないかと勘ぐるものだ。
「ごく当たり前のことだが、計算方法が違うものを比べないのは常識だ。計算方法が変われば、元の方法で立てた目標も変わってくる」。旧経済企画庁出身で政府統計に詳しい小峰隆夫大正大教授はこう解説する。
残り1175文字(全文1533文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める