国際・政治統計の泥沼

インタビュー 統計の“民営化”「民間指数はチェック機能を持つ」=渡辺努・東京大学大学院教授

 統計改革のテーマの一つが、民間データの活用だ。POS(販売時点情報管理)データを用いた物価指数などさまざまなプロジェクトに携わる渡辺努・東京大学大学院経済学研究科教授に現状と課題を聞いた。

(聞き手=黒崎亜弓・編集部)

── 2013年からスーパーの販売データを基に日経CPINow(当初は東大日次物価指数)を算出している。狙いは。

■統計は政府の専売特許ではなく、民間の方が良いものを作れる場合もあると考えた。それを示すための実証実験だ。

 指数作成の研究成果を踏まえ、学術的にベストな指標(T指数)を算出するところから始まった。日々の数字を翌々日に公表するという迅速性の面でも、特売を反映するなど手法の面でも総務省の消費者物価指数と大きく異なっている。その後、ユーザーの要望を受けて、総務省の手法に沿った月次指標(S指数)も出すようになった。

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