世界が大きく変わる間に30年間寝ていた日本=野口悠紀雄
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1980年代後半の不動産価格と株式の異常な値上がりを根拠のないバブルだと指摘したのが『バブルの経済学』だ。当時はバブルという言葉そのものがまだなかった。根拠ある当然の値上がりだと強い批判を受けた。「日本の国際的な地位が向上し、東京が金融の中心地になる」、と。もっと不動産価格が上がってくれないかという期待が一般的だった。
バブルは何かのきっかけで崩れてしまう。その認識を持っていなければ危険だという私の意見は、バブル崩壊後も世の中で受け入れられなかった。バブルが崩壊したことに気づかなかったのだ。
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