教養・歴史自著で振り返る平成経済

『デフレの正体』の波紋 人口増減が消費を左右する=藻谷浩介

 50万部のヒット作は同時に批判も浴びた。人口の視点で平成をどう振り返るか、聞いた。

(聞き手=黒崎亜弓・編集部)

『デフレの正体』で指摘したことはシンプルで、人口の絶対数の増減が消費を左右するということだ。高齢化率を使わず、生産年齢人口(15~64歳)を取り出して絶対数で見ると、全国および各県で、小売販売額(=モノ消費)の減少と、生産年齢人口の減少が、連動していた事実に気づく。

 背景には生産力の過剰がある。生産年齢人口(=需要者数)の減少により需要数量が減るのに、生産の自動化で生産量を維持すれば、当然値崩れが起きる。そういう状況下で貨幣供給をいくら増やしても、インフレ期待(人々の将来のインフレ予想)など高まらない。

残り511文字(全文821文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

6月13日号

電力が無料になる日 NTT、東電、トヨタが拓く未来14 NTT、東電、トヨタの共闘 捨てる再エネは「宝の山」 ■金山 隆一18 インタビュー 森島龍太・電池サプライチェーン協議会業務執行理事 「電池は国家のエネルギー戦略そのもの」19 電池のリユースは自動車業界の命綱 ■藤後 精一20 EV電池の送 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事