『デフレの正体』の波紋 人口増減が消費を左右する=藻谷浩介
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50万部のヒット作は同時に批判も浴びた。人口の視点で平成をどう振り返るか、聞いた。
(聞き手=黒崎亜弓・編集部)
『デフレの正体』で指摘したことはシンプルで、人口の絶対数の増減が消費を左右するということだ。高齢化率を使わず、生産年齢人口(15~64歳)を取り出して絶対数で見ると、全国および各県で、小売販売額(=モノ消費)の減少と、生産年齢人口の減少が、連動していた事実に気づく。
背景には生産力の過剰がある。生産年齢人口(=需要者数)の減少により需要数量が減るのに、生産の自動化で生産量を維持すれば、当然値崩れが起きる。そういう状況下で貨幣供給をいくら増やしても、インフレ期待(人々の将来のインフレ予想)など高まらない。
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週刊エコノミスト
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