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エナリスがKDDI傘下に 経営改善の陰で失ったもの

 新電力ベンチャーのエナリスは昨年12月にKDDIと電源開発(Jパワー)の共同での株式公開買い付け(TOB)に応じた。エナリスは今年2月の新体制移行後、顧客を伸ばしている。

 エナリスはもともと、KDDIが2016年の電力小売事業に参入した時に、同社から需給管理を受託した。だが、14年末の不適正会計問題発覚以降、経営危機に陥っていた。再建の過程で、KDDIはエナリスの約30%の株式を取得し筆頭株主となり、支援した。

 ただ、KDDIの電力事業にとっては、エナリスの経営安定化が課題であるため、今回のTOBに踏み切った。TOB成立後、エナリスの議決権所有割合はKDDIが50.49%、Jパワーが40.89%となった。KDDI傘下となったことで、エナリスは両社の競争力のある電源の調達を実現。産業用途など高圧部門向けに拡販し、危機的な経営状態から脱した。

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