熾烈な基地局ビジネス 無線機市場6年で500倍も 世界に太刀打ちできない日本勢=斎藤和友
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米韓を皮切りに今後、世界中で5Gサービスが開始されるのに伴って、各国で関連インフラ投資が加速する。ミック経済研究所の予測では、基地局の最も重要な機器である無線機の設置数は、日米韓中で2019年は2万台超だが、25年には990万台超に達する(図)。
日本では今年4月、5G周波数割り当てに際してキャリア(通信事業者)大手4社の基地局開設計画が公表された。それによると4社合計で1兆6624億円が投じられる計画だが、3Gや4G移行時、さらには中国、韓国などと比べても規模が小さすぎる。
現状の韓国1国のモバイル市場規模(加入者数、設備投資規模)は、NTTドコモ1社とほぼ同じレベルだ。韓国のキャリア3社は、今年4月の5Gサービス開始時点ですでに予想を超える8万5000もの基地局を設置している。これに対してドコモの5G基地局の開設計画では、19年度からの5年間の総数で1万3000局に過ぎない。局のカウントの仕方の違いを考慮してもあまりにも差がある。
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週刊エコノミスト
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