東京市場 医療IT株、人手不足緩和で期待=三井郁男
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ここ1年、私と親族が疾病により入院し、医療機関の現状について考えさせられることがあった。人手不足の状況は病院も同じで看護師の不足は深刻化していて、仕事の忙しさは表現が難しいほどだ。特にパソコンにデータを入力する仕事に多くの時間が割かれている。
入院患者を担当する看護師は、1日に朝昼晩3~4回、各患者の所に訪れ病状や体調などをチェックする。1人当たり10~15分かけ体温、脈、血圧から食事の量、食欲、痛みの状況など広範囲にチェックし、ひたすらそのデータを入力する。当然、患者と向かい合う時間よりパソコンに向かっている時間の方がはるかに長い。看護師は、患者に寄り添うことが就職の動機だったにもかかわらず現実は随分かけ離れている。
患者のデータ蓄積は進んでいるはずで、全国の病院には膨大なデータ量が蓄積されている。それらのデータは既に利用されているだろうが、今後、データの統合が進みビッグデータ化しディープラーニング(深層学習)やAI(人工知能)を利用した分析が進めば、医師の経験が重要なことは変わりないが、病状に応じた最適な治療がどこでも可能になる。病院での治療だけでなく、治療レベルの向上により遠隔医療や在宅医療が拡大する期待…
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週刊エコノミスト
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