国際・政治失速!米国経済

米中摩擦の衝撃 関税第4弾で世界同時不況 逆資産効果が個人消費直撃=長谷川克之

    アジアにまたがるiPhoneの供給網にも打撃(Bloomberg)
    アジアにまたがるiPhoneの供給網にも打撃(Bloomberg)

     米中貿易戦争が激化している。5月10日、米通商代表部(USTR)は昨年7月の第1弾(対象輸入額340億ドル)、8月の第2弾(同160億ドル)に続き、9月から課していた第3弾(同2000億ドル)の関税を10%から25%に引き上げた。

     11月末の米中首脳会談で引き上げの猶予が決定され、その後、両国間で重ねてきた通商協議が事実上の物別れに終わった結果が、今回の25%への引き上げだ。米中は協議を続ける構えだが、トランプ大統領は第4弾、すなわち、対中輸入の残る3000億ドル余りに対する制裁も示唆している(表)。

     関税の引き上げが現状の第3弾までで止まれば、世界経済、米国経済への直接的な影響は比較的軽微なものにとどまりそうだ。みずほ総合研究所のメインシナリオとしては、第3弾までの引き上げを見通しの前提として想定し、今後も米国経済は減速しつつも、底堅く推移すると見ている。来年の大統領選挙を控えるトランプ大統領、必要以上の対米対立を避けたい習近平国家主席。お互いに落としどころを見いだし、第4弾発動は避けられる、という希望も含めた見立てである。

     しかし、残念ながら第3弾で制裁が終わる確証はない。技術移転の強要禁止、知的財産権の保護、補助金政策の抜本的見直しといった構造問題での米中の隔たりは大きいものと見られる。とりわけ補助金政策については中国共産党主導の国体の礎でもあり、中国側の譲歩余地は限られていると思われる。米国は、合意の確実な履行を担保する執行監視手続きについても、合意内容の法制化も含めて強硬な姿勢で臨んでいるとされ、中国は反発し…

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