FRBの新機軸 「低金利の長期化」もくろむ 市場金利上昇なら株暴落も=鈴木敏之
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米国でもインフレ率が低過ぎることが問題になっている。
米連邦準備制度理事会(FRB)が、インフレ目標を設定している「個人消費支出(PCE)物価指数」の直近値である3月分は、前年同月比で1.5%、米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーが実際に見ているとされる食料品とエネルギーを除いた「PCEコア」指数も同1.5%である。
消費者物価指数(CPI)のコアの前月比は、0.1%が続いている。いずれも2%の目標到達が見えない。米国経済は2009年6月の景気の底入れから10年になる。その間、着実といえる経済成長を維持し、失業率は歴史的なところまで下がっている。それならば、賃金が上昇し、それが一般物価に波及してくると見込めるところだが、現実になっていない。
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週刊エコノミスト
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