国際・政治ファーウェイ大解剖

ファーウェイの実像 逆境で成長、中国初の世界企業に 米制裁で縮まる「政府との距離」=遠藤誉

    中国の習近平国家主席を案内するファーウェイ創業者の任正非氏(右)。ロンドンの同社事務所で(Bloomberg)
    中国の習近平国家主席を案内するファーウェイ創業者の任正非氏(右)。ロンドンの同社事務所で(Bloomberg)

     米国と中国の対立は経済貿易面だけでなくハイテク分野、特に次世代通信を中心とした社会インフラを担うとされる5G(第5世代移動通信)においても熾烈(しれつ)を極めている。

     拙著『「中国製造2025」の衝撃』で示した米中覇権争いは、中国最大の通信機器メーカー、華為技術(ファーウェイ)を巡って最初の山場を迎えた。ここでは同社が米国の排除を受けてもなおへこたれない理由と中国政府との癒着度はどうなのかなどを考察する。

     ファーウェイは1987年に中国の広東省深セン市で、2万元(約30万円)ほどの資本金を数人の仲間でかき集めて誕生した民間企業だ。83年から85年にかけてトウ小平が100万人の中国人民解放軍をリストラしたのだが、その中の一人に創業者の任正非氏がいた。文化大革命(66~76年)により中国は経済的に壊滅的な打撃を受け、78年12月に改革開放を断行。そのような中、79年2月17日に中越国境紛争を中国側が起こした。

     ところが、ベトナム戦争で疲弊していたはずのベトナム軍を中国は打ち負かすことができず、わずか1カ月でけんか両成敗のような形で終戦。これにショックを受けたトウ小平は、無駄に多い中国人民解放軍を100万人もリストラした。兵士の食いぶちに注ぐ軍費のゆとりもなかった。

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