資源・エネルギー

ロシア モスクワでゴミの分別収集始まる=大前仁

ガラス製品(左)とプラスチック製品に分けられたリサイクル用の容器(筆者撮影)
ガラス製品(左)とプラスチック製品に分けられたリサイクル用の容器(筆者撮影)

 ロシアでゴミへの意識が変わろうとしている。モスクワ市は来年1月から、市全域にゴミ分別の容器を置く方針を明かした。当初は2022年の予定だったが、前倒しにする形だ。

 もともと、ロシアはゴミ問題に無頓着な国だ。世界一広い国土を持つため、分別に注意を払わず、埋め立てることで対応してきた。日本人の知人がビール瓶をすすいでいると、ロシア人から「どうせ捨てるのだから同じだろう」と不思議がられたという。

 意識が変わってきた背景には、環境と社会の両面でゴミ問題が大きくなってきたことがある。首都と隣接する地域では昨年、埋め立て地から出る有毒物質で、周辺の住民が健康を害する問題が起きていた。北部アルハンゲリスク州でも、モスクワから運ばれてくるゴミの埋め立て地建設に住民が反対し、抗議運動を起こしている。プーチン大統領も毎年恒例の「国民との対話」で、ゴミ問題に対応すると約束せざるを得なかった。

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