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週刊エコノミスト Online 2040年の社会保障を考える

「育児の社会化」で保険導入の是非=山崎泰彦

(出所)内閣府「少子化社会対策白書」(2018年度版)より編集部作成
(出所)内閣府「少子化社会対策白書」(2018年度版)より編集部作成

 平成時代の社会保障史の中で最も顕著な成果は、介護保険の導入・普及であろう。具体的な検討に入ったのは、1994年に細川護煕首相の国民福祉税構想が頓挫してからのことだ。増税の困難さを目の当たりにして、税財源による従来型の福祉サービスの充実に懸けていた人たちも介護保険を推進する側に転じ、自社さきがけ連立政権下の97年に介護保険法が制定された。

 そして2000年の施行以来、サービス利用者は着実に増えた。しかも、発足当初は給付費の約3分の2を占めていた施設サービスの割合が今では約3分の1に低下し、在宅・地域密着型サービスが大きく伸びた。平成の初めごろまでは、福祉の世話になりたくない、福祉施設は姨捨(うばすて)山、自宅が無理なら施設ではなくてせめて病院で、というのが世間相場であった。それが今では遠い過去の話になった。

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