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国営医療ポータルに生かす民間の知見=岩崎博之
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当社は2003年8月の創業以来、診療データビジネスに取り組んできた。その一環で16年10月、病院と患者が診療情報を共有するウェブサービス「カルテコ」(カルテの倉庫の造語)の提供を開始。その機能などを付帯した病院向けシステム「CADA─BOX」は現在、全国7病院で稼働中だ。今年4月には千葉大学医学部付属病院で実証・研究開発がスタートした。
「カルテコ」を開発したのは、自分が病気になって、その情報がカルテに入っているのに、どうして自分で知ることができないのかという素朴な疑問が発端だ。患者がハブ(拠点)となり診療情報を保有することで、人が一生の医療・健康情報を自ら管理できる「PHR(パーソナル・ヘルス・レコード=個人健康記録)」が実現する(図)。既往歴や処方歴が残っていれば、ほかの病院にかかっても、それを見せれば説明しやすくなる。また、…
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