既存ビジネスは消滅の危機 命運分ける自動運転車の開発=遠藤功治
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「MaaS」、すなわち「サービスとしてのモビリティー」の対極にある「ハードとしてのモビリティー」で生きてきたのが自動車業界だ。その市場規模がこの先、大幅に縮小するのではないかとの危機感が自動車業界に影を落としており、最近の株式市場における自動車関連株の比較的低位なバリュエーション(企業価値評価)の一因とされる。
MaaSの世界では、さまざまな交通機関の運行が一括化される。その中で車は“所有”から“共有”するシェアカーとなり、最終的には人間が運転にまったく関与しない完全自動運転車となる。それは移動ニーズが発生した時のみに呼ばれて走る「モビリティー・オン・デマンド」(MOD)車であり、移動性のみを重視した車両は画一化と汎用(はんよう)化が進む。その結果、従来型の開発・生産・販売・保守というビジネスモデルは消…
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週刊エコノミスト
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