世界の不動産市場に投資マネー 日本でも動き出す大型取引=小夫孝一郎
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リーマン・ショック(2008年)後、順調に回復していた世界の不動産市場。この2~3年は、収益性利回りを示すオフィスビルのキャップレートが、各国で過去最低値かそれに近づく水準となったため(不動産価格は上昇)、市場では高値警戒感が増し、そろそろ調整局面に入るのではとの声も聞かれていた(図1)。しかし、ここへきてそうした状況が一変している。
15年以降段階的に利上げを行ってきた米連邦準備制度理事会(FRB)が昨年後半から利上げペースを緩めており、今年に入ると利下げにかじを切るとの観測が強まった。これと前後し各国当局も金融緩和へ傾き、日本の長期金利も今年に入って再びマイナス圏に突入した。金融緩和は不動産価格にポジティブな影響を与えるため、商業用不動産市場への資金の流れが再び加速する兆候が世界各地でみられる。
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週刊エコノミスト
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