週刊エコノミスト Online書評

『戦後日本の地域金融 バンカーたちの挑戦』 評者・平山賢一

編著者 伊藤正直(大妻女子大学学長) 佐藤政則(麗澤大学教授) 杉山和雄(成蹊大学名誉教授) 日本経済評論社 4600円

混迷の現代に勇気与える 魅力的な地域金融機関史

 AI(人工知能)化の波は、金融機関に大きな変革を迫っている。多くの上場銀行のROE(株主資本利益率)が低迷し、機関投資家は、経営者の適格性を問いつつ、議決権を行使するようになってきている。それだけ、大きなプレッシャーを感じざるを得なくなっているのが金融機関の現状だ。特に、地方金融機関については、従来型のビジネスモデルの転換がより強く求められ、経営者だけではなく従業員、さらに広く社会の注目を浴びるようになっている。

 本書は、地方金融機関について、その業務や機能の歴史について論ずるものではない。第二次大戦から高度経済成長にかけて、混乱から成長に至る時期の地方金融史を、人物にスポットライトを当てて、56のストーリーとしてまとめたものである。

残り821文字(全文1226文字)

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