資源・エネルギー商社の稼ぎ方

財務を分析 新規投資2割増でも課題多いIT収益化=成田康浩

(出所)野村証券作成
(出所)野村証券作成

 大手商社の業績動向は堅調に推移している。2019年3月期の大手7社最終利益は2・26兆円と過去最高益を更新した。20年3月期も各社計画合計では前期比4%増の2・35兆円と最高益の更新が続く見通しだ。基礎営業キャッシュフロー(現金収支)=営業キャッシュフローから営業資産・負債の変動を除いた実質的なキャッシュ創出力=も19年3月期は3・15兆円と前期比3%増加するなど、小幅だがキャッシュベースの稼ぐ力も伸張している。

 部門別でみると、資源分野は各社とも、原油や原料炭(主に製鉄に使われる石炭)といった商品市況の上昇により、19年3月期は改善した。20年3月期も、今年1月に資源世界大手ヴァーレ(ブラジル)のダム決壊事故を機に同社の鉄鉱石供給量が減少したことで、鉄鉱石市況が大きく上昇している。原料炭市況も高水準での推移が続いていることもあり、引き続き高い水準の利益が続くと見ている。

残り1524文字(全文1916文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事