投資・運用商社の稼ぎ方

世界に類なき業態 商品取引・投資・事業運営 3機能とも持つ特種性=田中隆之

 現在の総合商社の原型は、1960年代に成立したと捉えるべきだろう。確かに、戦前の旧三井物産や旧三菱商事、さらに鈴木商店は、総合商社と呼ぶにふさわしい企業だった。また、戦後長い間、総合商社研究の対象とされたのは、これら戦前の「総合商社」だった。

 だが、高度成長初期に、丸紅、伊藤忠商事、日綿実業、東洋棉花、兼松などの繊維商社や日商、岩井産業、安宅産業などの鉄鋼商社が取扱品目を増やした。一方で、終戦直後に解散させられた三井物産と三菱商事が再結集した。住友商事も新たに設立された。世にいう10大(68年に日商と岩井産業が統合したため)総合商社体制である。ここで成立したビジネスモデルを総合商社の「原型」と捉えてよいだろう。

 商社業界では、売買仲介や卸売りなど伝統的な商品取引を「トレード」と呼ぶ。「原型」の特徴は、多様な取扱品目、世界各国への展開、巨額の取引高などである。そして、トレードにとどまらず、(1)事業に投資する、(2)プロジェクト参加企業を取りまとめる(産業のオーガナイズ)、(3)金融を行う、(4)情報収集を行う、などの付随機能を持つ点も挙げられる。

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