経済・企業

ハイテク決算 米中貿易摩擦による中国経済減速が直撃=吉脇丈志

スマホの買い替えサイクル長期化も影響(Bloomberg)
スマホの買い替えサイクル長期化も影響(Bloomberg)

 米中貿易摩擦などをきっかけにした中国経済の減速を受け、2019年4~6月期の決算発表では国内企業の業績悪化が相次いでいる。中国の輸出鈍化で、中国国内の設備投資が停滞していることが背景にある。

 キヤノンは7月24日、2019年12月期連結営業利益予想を前期比37%減の2150億円と、従来予想より590億円引き下げた。半導体関連装置大手のアドバンテストと東京エレクトロンは、19年4~6月期の連結業績がともに減収減益だった。米中対立を受けた半導体市況の悪化で中国企業などが設備投資を抑制していることが響いた。モーター製品大手の日本電産も同4~6月期の連結営業利益が前年同期比で4割減少。中国向け家電・産業用部品の収益が悪化した。半導体関連装置や電子部品を手掛ける日本企業が苦戦している。

 米中対立に加え、中国国内でも個人消費が伸び悩んでいることが中国企業の設備投資後退の要因となっている。また、スマホなどの性能が上がったことで、世界中で買い替えサイクルが伸びていることも背景と考えられる。

残り425文字(全文869文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月9日号

EV失速の真相16 EV販売は企業ごとに明暗 利益を出せるのは3社程度■野辺継男20 高成長テスラに変調 HV好調のトヨタ株 5年ぶり時価総額逆転が視野に■遠藤功治22 最高益の真実 トヨタ、長期的に避けられない構造転換■中西孝樹25 中国市場 航続距離、コスト、充電性能 止まらない中国車の進化■湯 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事