リニア開業は間に合う? 静岡県・JR東海が協議 湧水対策など着地点見えず=杉山淳一
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JR東海が東京・品川─名古屋間で建設を進めるリニア中央新幹線で、2027年の開業目標に遅れが出るのではという懸念が高まっている。品川─名古屋間を40分で結ぶ計画だが、南アルプスを貫くトンネル(約25キロ)の建設工事を巡り、静岡県となかなか調整が付かないためだ。JR東海は大阪までの全線開業を2045年の予定から最大8年前倒しする方針を示しているが、大阪までの延伸にも影響が出かねない。
中央新幹線は環境アセスメント手続きを済ませており、着工そのものについては問題ない。しかし、工事進捗(しんちょく)の最大の懸念は静岡県内工区、南アルプスを貫くトンネルの建設許可問題だ。河川法によると、河川流域で利水、治水に影響する工作物を設置する場合は河川管理者の許可が必要となる。1級河川の管理者は国だが、大井川の場合は河口付近と長島ダム付近のみ国の管理下で、中央新幹線が通るエリアの河川管理者は静…
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週刊エコノミスト
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