架線がいらない! 高コストのディーゼルカー代替 性能向上の蓄電池車が続々導入=梅原淳
有料記事
鉄道車両のすみ分けに近年、変化が見られるようになっている。電化路線には電車、非電化路線にはディーゼルカーが長く営業に用いられてきたが、蓄電池を動力源とする電車がディーゼルカーに取って代わり始めている。
架線など電気を外部から供給する仕組みがなくても走行可能な蓄電池電車は、2014年3月にJR東日本の烏山線で初めて登場した。その後、JR九州の筑豊線に16年10月、JR東日本の男鹿線には17年3月と相次いで蓄電池電車が投入されている。時期は未定ながら、広島電鉄でも新たに開業が予定されている駅前大橋線(仮称)に導入が検討されているという。
ディーゼルカーは欠点が多い。動力源のディーゼルエンジンは騒音や振動が大きく、多くの二酸化炭素(CO2)や窒素酸化物(NOx)を排出する。電車は減速、停止時に電力回生ブレーキによって発電した電力を架線へ戻して他の電車の加速に活用できるが、ディーゼルカーはそれができないので省エネではない。動力費を比較すると、JR東日本では車両1両の1キロ走行当たりで、ディーゼル機関車を含むディーゼルカーは28・8円…
残り1795文字(全文2265文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める