国際・政治絶望の日韓

サムスンの“アキレス腱” ニッチで代替利かない3品目=広木功

    (注)2019年1~5月の統計 (出所)ジェトロの資料を基に編集部作成
    (注)2019年1~5月の統計 (出所)ジェトロの資料を基に編集部作成

     わずか三つの化学品をめぐって日本と韓国の世論が大騒動になっている。日本政府が半導体製造に必要な3品目を従来の包括審査から個別審査へと変えたことを機に、韓国の半導体最大手サムスン電子は戦々恐々としている。

     3品目の中には、代替が極めて難しい製品も含まれ、それを日本からの輸入に頼る韓国半導体産業にとって、今回の輸出管理強化は、単なる輸出手続きの見直しでは済まされないからだ。今回の措置で、これまで表面化していなかった“半導体大国である韓国のもろさ”と“日本の材料技術の強さ”が浮き彫りになった格好だ。

     経済産業省が輸出管理を厳格にした化学品は、(1)シリコンウエハーに回路を形成するための樹脂や感光剤を主成分とする混合物である「EUV(極端紫外線)レジスト」、(2)半導体製造で洗浄剤などとして使われる「フッ化水素」、(3)スマートフォンなどデジタル機器のディスプレーに使われる「フッ化ポリイミド」──というニッチな3製品だ。どれも韓国が先導する次世代半導体やスマホになくてはならないものだが、兵器へ転用される恐れがある。

     半導体メーカーにとって、いちばん代替が難しいのがEUVレジストだ。最新のスマホには回路線幅が7ナノメートルのチップが載っているが、来年以降には5ナノメートルのチップになる。このチップをつくるには波長13・5ナノメートルのEUV光に感光するEUVレジストが必須だが、この開発には半導体と材料の技術者が一体となり10年以上もかかっている。

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