週刊エコノミスト Online書評

移民とは?日本人とは? 「届く言葉」が今ここに=荻上チキ

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     最近はツイッターを開くのもしんどくなっている。あちこちがギスギスしている上に、傾聴に値するような専門知も乏しい。特に、排外主義的なトピックスが盛り上がっている時はなおさらだ。そうした時には、紙の本へと移る。電子書籍だと、ついつい他のタブを開いてしまい、世界とつながりすぎてしまう。

     最近、紙でじっくり味わった一冊は、ナディ著『ふるさとって呼んでもいいですか 6歳で「移民」になった私の物語』(大月書店、1600円)。幅広い世代に推薦したい図書であることはもちろん、同じようにネット空間に摩耗してしまった人にこそ手に取ってほしい本でもある。

     著者のナディさんは、6歳の時に日本にやってきた。イラン・イラク戦争後の困窮状況から逃れるため、両親が出稼ぎ目的で来日した。観光ビザでの就労は禁じられているが、生活のためにやってくる外国人は後をたたない。もちろん、在留資格を持たない状態で働くようになるため、行政や医療などとアクセスしない・できない人が多くなる。

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